
「21世紀の『海のトリトン』」 2008-08-23
「このレビューが参考になった」と投票した人:1/1
待望の3巻にして謎は深まり、時間軸は錯綜する。1、2巻である程度は物語の方向を
示唆してあるので3巻目ではさらなる布石が散りばめられた。「うみ」と「そら」を
中心にしながらも群像劇になりそうな予感がしてますます味わい深く詩情に溢れる
言葉に感嘆する。
しかして、ふと思い至ったのが「これって、手塚の”海のトリトン”じゃん!?」と
「うみ」と「そら」はさながらトリトンと人魚のビビ!
いずれも海に人間の起源と未来を同時に見る物語である。活劇としての「トリトン」に
対して博物学的展開の伝奇ものになっている「海獣の子供」。。。そしていずれも
「海を畏れること」が主題である
山下和美の「不思議な少年」が”火の鳥”であるように、静かながら確かに手塚の
後継者たちが育っている。4巻が楽しみ!

「恐ろしい世界へ!」 2008-08-07
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とにかく、怖かった!
話は佳境に差し掛かり、登場人物が巡り会った理由も明らかになってきましたが、日常とは全く異なる未知の世界が描かれているので、「こんなこと、描いていいのだろうか?」とドキドキするような怖さを感じる三巻です。
作家とは、「自分の世界」を描き出すのが仕事ではありますが、
五十嵐大介という作者の描く、「自分の世界」はあまりに奥が深く、読んでいて、「よくここまで描けるなあ・・・」と他人事ながら心配になるほど。
「魔女」を読んだ時にもそう感じましたが、「海獣の子供」は話が進むほどどんどん奥の深い、未知の世界が描き出され、勝負をかけ描いているのだろうなあと思いました。
果たしてここまで踏み込んでいった未知の世界、読者が納得いく結末をつけることができるのだろうか?・・・
この先を読むのが、怖いような楽しみのような読後感を味わった三巻でした。